第4回は、「別表五」の作成の仕方の概要の続きです。
前回は、別表五の作成目的についてご説明しました。今回は、作成の仕方です。実は別表四の考え方と同じ考え方で別表五も作られています。
別表四の考え方は、「所得=会計上の利益±一定の調整」です。そして、別表五の考え方は、「税務上の純資産=会計上の純資産±一定の調整」です。
純資産とは資産と負債の差額という概念的なものです。そして、税務上にも税務上の資産及び税務上の負債があると考えます。
例えば、会計上、資産500、負債(すべて賞与引当金)100、差額として純資産が400とします。
これを税務上に置き換えると、賞与引当金は税務上負債ではありませんので、税務上の負債はゼロとなります。税務上の資産は500、負債は0、差額としての純資産は500となります。
このように会計上の純資産は400、税務上の純資産は500となる場合に差額の100は賞与引当金だよと差異内容を説明しているのが「別表五」なのです。
「別表四」及び「別表五」の理解の一助になれば幸いです。